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歯周病

歯周病|【大宮歯科・矯正歯科】大宮駅の歯医者|土日祝も診療

歯周病とは

歯周病菌の感染により、歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。症状なく進行するため、症状が出る頃にはかなり進行してしまっていることも珍しくありません。放っておくと歯が揺れたり痛んだりし、最終的には歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。歯を失う原因の「第1位は歯周病」であり、日本の成人の8割が罹患していると言われています。

歯周病の症状

以下の症状に当てはまる方は、歯周病の可能性があります。

  • 歯茎から出血する
  • 歯が伸びてきた(長くなった)感じがする
  • 歯がグラグラと揺れる
  • 硬い物を噛むと痛む
  • 歯が浮いているような感じがする
  • 口臭が気になる

歯周病の原因

プラーク(歯垢)

磨き残した汚れから発生するプラークは、白くネバネバして歯にこびりつきます。プラークには口の中で繁殖した沢山の種類の細菌がすみ着いており、わずか1mgのプラークの中に1億個以上の細菌が生息しています。

歯石

プラークが唾液中のカルシウムやリンと結合して石灰化すると、歯石になります。石という文字通り硬いので、歯ブラシで取ることができず、歯科医院の器具で取る必要があります。歯石の表面はザラザラしていて、その上にさらにプラークが付着しやすくなります。

プラークや歯石が歯と歯茎の間の溝である「歯周ポケット」にたまると、細菌が繁殖します。この細菌こそが歯周病を引き起こす原因となります。

歯周病の進行度

歯肉炎 歯周ポケット~3mm

歯肉炎 歯周ポケット~3mm

プラーク(歯垢)により歯茎が炎症を起こし、赤く腫れている状態です。歯科医院でクリーニングと歯ブラシ指導をうけ、適切な歯磨きをすることで改善することもあります。

軽度歯周炎 歯周ポケット4mm

軽度歯周炎 歯周ポケット4mm

プラークと歯石により、炎症が歯槽骨まで広がり始めた状態です。歯槽骨が溶け始め、歯と歯茎の間の溝である「歯周ポケット」が深くなります。

中等度歯周炎 歯周ポケット4~6mm

中等度歯周炎 歯周ポケット4~6mm

歯槽骨が溶けるのが進行し、歯が揺れてきます。口臭が強くなるのもこの頃です。

重度歯周炎 歯周ポケット6mm以上

重度歯周炎 歯周ポケット6mm以上

歯槽骨がかなり溶けてしまい、歯がグラグラします。残すことが難しく、抜歯になるケースが珍しくありません。また自然に歯が抜け落ちてしまうこともあります。

治療方法

「プラークと歯石を徹底的に除去し、炎症の改善を図る」

検査・スケーリング

1.検査・スケーリング

時間:30分
治療回数:1回
治療費用:約¥2,000
歯周ポケットの深さを測り、状態の把握をします。超音波スケーラーを使用し、歯周ポケット浅部のプラークと歯石を除去します。
※歯槽骨まで含めた細かい検査を希望される方には、レントゲン撮影を行います。(約¥1,200)

SRP

2.SRP

時間:30~60分/回
治療回数:1~6回(状態に応じて)
治療費用:約¥1,500/回
超音波スケーラーで届かない歯周ポケット深部の歯石は、それぞれの歯の形にあわせた器具(キュレット)を使用し除去します。

メンテナンス

3.メンテナンス

時間:30分
治療回数:3ヶ月に1回
治療費用:約¥2,000
歯周病は再発が多い病気と言われています。治療終了後も歯ブラシと定期的な歯科医院でのメンテナンスを行わないと再発してしまいます。メンテナンスとは良い状態を維持することをいい、歯科医師のチェックと歯科衛生士による専門的なクリーニングを定期的に行います。最低でも3~4ヶ月に1回は定期的にチェックを受け、安定した歯茎の状態を管理していくことが大切です。

早期治療の重要性

歯周病は骨が溶けていく病気です。治療により進行を抑えることはできますが、一度溶けた骨が元に戻ることはありません。(再生療法という骨を回復させる治療を行うこともありますが、適応は限られます)
骨が溶ける前に、早期発見・早期治療を行うことが非常に重要です。少なくとも半年に1回の検査が推奨されます。

全身との関連

喫煙

タバコに含まれる成分の中で、特にニコチン・タール・一酸化炭素が歯周病を進行させるほか、治癒の遅延を招くと言われています。
ニコチンの血管収縮作用や一酸化炭素によるヘモグロビン濃度の低下により歯周ポケット内の酸素分圧が低下すると、嫌気性の歯周病菌が繁殖しやすい状態になります。タール(ヤニ)が歯面に付着することで歯周病の原因となる歯石がつきやすくなるため、病態が進行しやすくなるのです。
ニコチンの血管収縮の作用により出血や炎症が目に見えづらくなり、歯周病に気づかないことがあります。また、メラニン色素沈着によって歯肉が黒ずんでしまうと、歯肉で炎症が起こっていても見逃しやすくなります。このような複数の条件が重なることで、歯周病の進行につながります。

糖尿病

歯周病は糖尿病の合併症の一つであり、両者は密接に関係しています。糖尿病になると、免疫力低下により歯周病菌に感染しやすくなります。また創傷治癒の遅延が起こり、歯周病が発症・進行しやすくなります。加えて、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も近年明らかになりました。
血糖値のコントロールが悪いほど、歯周病の進行が速く重症化することが報告されています。逆に、適切な血糖コントロールを行うことで非糖尿病患者と同様の治療効果が得られることが報告されています。また最近の研究では、歯周病治療を行うことで血糖値が改善されることも報告されています。血糖コントロールを行うことは歯周病の予防につながり、かつ歯周病治療の効果を高めます。

狭心症・心筋梗塞・脳梗塞

歯周病菌の刺激により、動脈硬化を誘導する物質が産生され、血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)を作り血液の通り道は細くなります。プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その部位で血管が詰まったり血管の細いところで詰まり動脈硬化が起きます。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています。

早産・低体重児出産

一般的に妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなると言われています。
エストロゲンという女性ホルモンが特定の歯周病細菌の増殖を促すこと、また歯肉を形作る細胞がエストロゲンの標的となることが知られています。そのほか、プロゲステロンというホルモンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激します。これらのホルモンは妊娠終期には月経時の10~30倍になるため、妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。
妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。これは口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかと言われています。その危険率は7倍にものぼると考えられ、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字なのです。生まれてくる元気な赤ちゃんのために、確実な歯周病予防を行いましょう。

骨粗鬆症

閉経によりエストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなります。歯を支える歯槽骨ももろくなり、歯周病の進行が加速されると考えられています。多くの研究で、骨粗鬆症と歯の喪失とは関連性があると報告されています。したがって閉経後の女性は、エストロゲンの減少により歯周病にかかりやすく広がりやすい状態にあると言えます。